「戦争、抑留、引揚を弾き唄い物語る公演」が3月7日、高砂市の十輪寺(高砂市高砂町、TEL 079-442-0242)で開催される。
田中楽風(本名・唯介)さんはアコーディオンを弾き始めて77年となる。アコーディオンとの出合いは終戦後にソ連のシベリアで捕虜となり強制労働に従事していた時、収容所の食堂でドイツ人音楽家が奏でる音色に魅了され音楽指導を直訴した。日本へ引き揚げ後はアコーディオン演奏や作曲家として活動し高砂市内に楽器店を開いた。
現在は関西を中心に年に数回公演を開催するなど精力的に活動。昨年、秋田でも自らの戦争体験を語りながらアコーディオンと歌を披露した。
今回の公演について、田中さんは「地元のお寺(十輪寺)で公演をするのは初めて。音楽を通じて生の戦争体験を感じてほしい。涙を拭くためにハンカチは忘れないで」と笑顔で話す。公演ではシベリア抑留から舞鶴港引き揚げまでを語り、「さらばナホトカ」「バイカル湖のほとり」など20曲を演奏する。
94歳の田中さんは今後について「自身の体験をもっと多くの人に伝えていきたい。音楽がある限り、待ってくれている人たちがいる限り、死んでいった戦友たちのために、まだまだ死なれへんね」と話し、語り続けていく意欲を見せる。
開演時間は13時30分~。入場料は300円。
※上記イベントは新型コロナウイルス対策により6月6日に延期となりました。(2月27日発表)