高砂の「松宗蔵(まっそうくら)」(高砂市高砂町)で3月25日、イベント「歌声ひろば」が開催された。主催は「高砂ぺんぎん舎」。
松宗蔵は、1823年(文政6年)に建てられた国の有形文化財。もともと商品の特産物を保管する蔵として使われていたが、2007年、作品展示や演奏会など地域のイベントに活用できる場所として改装した。
同イベントは、音楽ユニット「高砂ぺんぎん舎」が、気軽に音楽に触れ合える機会を作ろうと企画した。「平成29年度 兵庫ふるさと文化の伝承・発信サポート事業」の一環。
当日は、3歳から90歳代まで約30人が参加。同ユニットの島崎純子さんが演奏するピアノに合わせ、「春の小川」「浜辺の歌」などの童謡唱歌、「青い山脈」「瀬戸の花嫁」「川の流れのように」などの歌謡曲など、2時間で17曲を合唱した。
島崎さんは「歌声広場では、一方的ではなくみんなでワイワイ言いながら楽しめる場にしたい」と話す。
当日は、島崎さんが曲の解説を行ったり、参加者のリクエストに応えたりするなど、終始和やかな雰囲気でにぎわいを見せた。
友達と参加したという女性の一人は「知っている歌ばかりで楽しかった。いい場所で歌わせてもらった」と笑顔を見せる。イベントには同蔵の持ち主である田尻宗一さんも参加。田尻さんは「年に一度と言わず、二度三度と使ってもらいたい。高砂にもたくさん歌があるので、今度は地元の歌も取り入れてほしい」と話す。
島崎さんは「日本の歌は、きれいな言葉が入っているところが気に入っている。今は歌自体を知らない子どもたちも多いが、この機会にお孫さんなどと一緒に歌ってもらえるとうれしい」と話す。