高砂市立高砂小学校(高砂市高砂町)で夏休みの宿題として全校児童に地元ゆかりの「謡曲高砂」の暗唱が出されている。
「謡曲高砂」は結婚式などで謡われ、高砂市ゆかりのめでたい謡(うたい)として知られている。同小学校では、15年前、当時の校長、足立重之さんが就任してから、卒業式で6年生が在校生へ贈る言葉として謡を披露。校長が代わっても地元ゆかりの謡として現在も引き継がれている。
5年前に赴任した玉野有彦校長は、同小学校の児童が「みんなで一つのことをする『一体感』と音読、暗唱させることで記憶力を高めたり、やり遂げたときの『達成感』で自信を持たせたりしたい」と就任当初から毎年夏休みに学年課題とは別に「謡曲高砂」の暗記を全校児童に宿題として出している。
初めてこの宿題に取り組む小学1年生の坂本桃羽ちゃんは、母親から口伝えで覚えたといい、1週間ほどで謡曲独特の節回しで歌い上げることができるようになった。今は歌詞を平仮名で書けるよう書き取りにも挑戦中。
「夏休み高砂っ子特別取り組み 校長先生からの宿題 チャレンジ!丸暗記」と題されたこの宿題は、9月に玉野校長が全校児童372人からすべて受け取るといい、「音読が終わった後『やったー!覚えられた!』と喜ぶ児童の姿を楽しみにしている」と笑顔をみせた。