高砂町遺跡(高砂市高砂町今津町)の発掘調査と、市指定文化財「旧工楽邸松衛門旧宅」の保存工事について報告する現地説明会が7月8日、行われた。
「高砂・堀川周辺地区整備事業」に伴い昨年度から行われている同調査。同遺跡は江戸時代初めに整備された都市遺跡で、1942(昭和17)年に埋め立てられたが、市の高砂・堀川周辺地区整備事業の駐車場整備に先立ち、本年度から市教育委員会が発掘調査を行っているという。
江戸時代前期、高砂町は加古川舟運と瀬戸内航路を結ぶ物流の拠点港として繁栄し、開削された運河の南堀川は高砂の玄関口に当たる。調査の結果、護岸の石垣や荷揚げ場となった石階段の雁木(がんぎ)とスロープ状の石敷き遺構が南北22メートル、東西29メートルの規模で見つかった。
高砂市生涯学習課の阿部伸也さんは「この遺跡はあまり残っていない河川港で、南堀川周辺の昔の風情を感じることができる」と話す。
高砂町遺跡(南堀川)は一度埋め戻されるが、本年度中に雁木の部分を見ることができるかたちで駐車場を整備するという。
同日、松右衛門帆として知られる帆布を発明した偉人・工楽松右衛門の旧宅保存工事の様子も説明された。工楽邸の内部が公開されたのは昨年12月に続き2回目。
約200年前の旧工楽邸は昨年、工楽家から市に寄付され市の指定文化財となっている。
内部を見た阿弥陀町在住の石原昭さんは「立派なものだった。外側からは見たことはあったが内側は初めて。工楽松右衛門がもっと有名になってほしい」と期待を込める。