兵庫県の「東播磨ツーリズム振興協議会」が2月27日、国内に在住する外国人を対象に観光名所や伝統文化を体験してもらうモニターツアーの「加古川コース」を開催した。
同ツアーは、兵庫県東播磨地域へのインバウンド観光を促進する「外国人誘客事業」の一環として、東播磨ツーリズム振興協議会の主催で初めて実施された。外国人モニターに東播磨各所を巡ってもらい、地元の魅力をSNSで発信してもらうという企画。
今回の「加古川コース」は、米国やイタリア、韓国や中国など7カ国から計10人が参加。参加者は高校のALT職員や留学生など20~30代が中心。地元の老舗和菓子店主による和菓子作り体験のほか、加古川名物のかつめしの昼食や、国宝鶴林寺での座禅や写経を体験した。
兵庫県東播磨県民局の福浦和広さんは「既存の観光コースではなく、外国の人から見た面白さを発掘してもらいたい」と企画の意図を話す。本年度は東播磨地域で「明石昼網・酒蔵コース」や「高砂万灯祭コース」など計4回のツアーを実施。地元の祭りや酒蔵見学、酒米の稲刈り体験など、地域ならではの伝統文化に触れる機会を提供してきたという。
和菓子作りで練り切りの「ツバキ」と「アヤメ」を初めて作った参加者は「他ではなかなか体験できないことだから楽しかった」と話した。住職から作法などを教わって行った座禅体験は「初めての経験で新鮮だった」といった声が聞かれた。
今回の「加古川コース」実施後、参加者個々が感じた加古川の魅力がSNSなどで発信される予定。「『友達を連れて来るなら』という視点で発信してもらいたい」と福浦さん。旅行会社が組むツアーとは異なる効果に期待を寄せ、「来年度も引き続きモニターツアーを実施する予定。今後、東播磨エリア全体を結ぶようなツアーも検討していきたい」と意気込む。